8月 2007 のアーカイブ

#6

8月 22, 2007

運用業務

運用業務がなぜ必要か

  • コンテンツは継続する
  • 業界は進化する/流行は変化する
  • 評価と改善があって初めてサイトは機能する
  • 修正や変更が発生する(システムも)

無料サポートを長引かせない

  • チェックを厳重にしミスを潰す(文言ミス/素材使用に関するミス/リンク切れなどHTMLのミス/使用と異なる動作・バグ)
  • チェックの方法(プリントでチェック/プリントに朱を入れながら画面でチェック/作業分配し第三者によるチェック)
  • システム関連のチェック期間は長めに
  • 管理画面もプロトタイプを作成する
  • 検収期間を取る(スケジュールと期間内に行うべきこと・期間外には行えないことを事前に説明しておく/納期を遅らせない/チェックリストを作成し渡す)
  • 口約束でなく文書化・明確化
  • 事前/事後のドキュメント整備(サイトマップ/マニュアル類)
  • 納品儀式:完成図書(仕様や設定内容)
  • それでも来る相談・依頼は機会と捉える(新たな提案のきっかけにする/無料サポートと有料サポートの内容を提示し選択させる)

運用業務の訴求ポイント−運用業務は受注しにくい(意識/予算/受注体制)

  • プランニング段階で運用が必要か見極める
  • 必要性を説明し提案する
  • ウォーターフォール⇔スパイラル
  • 更新の必要性とアウトソーシング
  • SEO/アクセス解析
  • プロモーション/コンサルティング
  • クライアントのメリットは?

運用業務のポイント

  • 業務を分轄:『最低限の更新』と『改善』※オペレーション単価
  • コスト意識
  • 最低限の更新を効率化
  • 改善の目的と手段
  • 2*2マトリックス
  • アクセス解析を柱にしたPDCA
  • アクセス解析で何を調べるか(ボリュームと傾向)
  • モバイルサイト
  • Flashを用いたサイトの運用

契約と支払いに関する書類

  • NDA
  • 契約書
  • 注文書
  • 納品書
  • 請求書

内容に関する書類

  • RFP
  • 要件定義書
  • 仕様書
  • 会議議事録
  • SLA

ユーザビリティーとは?

  • ISO 9241-11による定義など
  • あるユーザが目的を達成するまでの有効さ、効率、満足度…つまり使い勝手
  • 悪ければ、せっかく来たユーザーを逃がしてしまうことに

ユーザビリティーのチェック

  • サイト目的に沿ったページ構成・デザインか
  • デザインや操作性が一貫しているか
  • 情報の組織化が適切か
  • 情報の優先性が適切か
  • サイト内の現在位置が把握出来るか
  • ナビゲーション・その他のリンクが直感的か
  • 目的のページへ効率的に辿り着けるか
  • 各ページの内容が明確か
  • 表示に時間がかかりすぎないか
  • ユーザーの閲覧を阻害する問題点が無いか
  • ユーザーの閲覧を補助する機能があるか
  • 3クリックルール
  • 8秒(2秒)ルール

マーケティング・価値創造

  • クライアントがもともと持っている価値をWeb上でどう活かせるか?
  • クライアントの願いは何か?を具現化するとどうなる?
  • Webサイトが溢れる現在、Webサイトを作るだけでは意味が無い。しかし、今後もどんどんWebに流入する。
  • ユーザー中心ではない。ターゲットの殆どはこのサイトを訪れない
  • いったんWebから離れて考えてみると全体はどうなるか
  • そのサイトで、ユーザーだけでなく誰がどういったメリットを得るか。
  • 大きなマーケットの平凡ではなく、小さなマーケットのリーダー。
  • 容易に比較されるWeb上で2位以下の存在は小さい。順位でなく特徴を。量よりも質を。
  • そのサイトの寿命は何ヶ月か?それはなぜか?継続することの価値は?

コアコンテンツを成立させるための関連コンテンツ
コアコンテンツが製品ページの場合の関連コンテンツの例

  • 利用者イメージの訴求(同一視)
  • 利用シーンの訴求
  • 導入事例・お客様の声
  • スタッフ紹介
  • スタッフのブログ
  • 製品開発ストーリー
  • 製品のこだわり
  • よくあるご質問
  • サポート情報
  • 業界関連ニュース
  • 関連用語集

サイト特性のバランス
マーケティング主体

  • EC(販売)
  • BtoB(企業間取引)
  • AD(広告・宣伝)
  • CRM(顧客サービス)

PR主体

  • IR(財務情報)
  • 採用情報
  • 会社のアピール(環境への取り組みなど)

Web業界について補足

  • 一般的に理解されていない面があり、時に問題になります。
  • 用語や技術の知識不足
  • ヒアリングやプレゼンの妨げになることも。
  • サイト制作に必要な手間(工数)が知られていない。(似たような見た目のページでも細かな違いや内部の仕組みによって工数は大きく異なるが、理解されにくい)
  • 難しいことと簡単なことの区別がつかない。(素人でもブログが出来るんだから、サイト構築って簡単なんでしょ?/すごく難しいんじゃないの?お金が掛かるんじゃないの?)
  • 目的・手段・運営体制・効果測定の必要性が理解されづらい(うちもそろそろホームページを持ちたいんだが、このチラシの写真と文章を使って適当に、安く作ってくれないか…)

その対策

  • 知識不足・理解不足があるものとしてヒアリング・プレゼンを行う。
  • 馬鹿にせず丁寧に。
  • まっすぐ説明するばかりでなく、結果が望み通りになるよう工夫する。

Webディレクターの心得

  • 調査すること
  • コミュニケーション
  • 話す事が得意でなければ『聞き上手』に
  • 相手の立場になって考えよう
  • 各ツール(メール/電話/MTG)の特性の把握を。
  • 少し変わったやり方で自分を特徴づける
  • 交流を持って自分の弱点を補おう

Webディレクターとは

  • クライアントとWebの接点になる
  • Webと接したことでクライアント、その顧客やユーザの状況に起こる変化を計画し、実現する。

なすべきことは

  • クライアントがWebに接することによる、新たな価値の創造
  • 他の人でない自分が担当することで、少しでも良い仕事に。
  • 適材適所モチチーム
  • 照明
  • 京チャンはリニュリます
  • 壷の話
  • コーヒーカン

進行管理のまとめ

8月 12, 2007

宿題(進行管理のまとめ)の期限ですが、みなさん出来はいかがでしょうか?一応一日だけ余裕を設けて、明日にはここにfukutなりのまとめを書き込みます。まだ出来てないと言う方は、明日以降もここを見ずに、自分である程度の結論が出るまで頑張って下さい。

ディスカッション中に出た意見等、みなさん詳しくノートを作成してくれていますので、お互いにありがたく参照させてもらいましょう。多くの方が夏休み中だと思いますが、色々と気をつけて下さい。fukutは性懲りも無くまた日焼けして真っ赤です。


追記続々と宿題が提出されて頼もしい限りです。

皆さんのまとめを拝見させて頂きましたが、よく出来ていると思います。これ以上は蛇足のようにも思いますが、一応fukutなりのまとめを以下に掲載しておきます。具体的なまとめというよりは考え方ですが。

授業内のディスカッションで様々な対策が出ましたが、実際にそれらを実行するときのために、時系列に分類しておくべきでしょう。

  1. プロジェクトの無い期間
  2. プランニング段階
  3. プロジェクト開始時
  4. プロジェクト開始後、継続的に
  5. プロジェクト中盤や終盤
  6. プロジェクト終了時

一覧性を良くするために、簡潔なキーワードと詳しい内容に分けて書いておく方が良いでしょう。これを逐次チェックして、打てる手を漏らさず打って行きます。これで、納品が遅れる可能性はぐっと低くなります。

これだけでも実用性は十分ですが、ここではより核心に迫るべく、もう少し考えてみたいと思います。そのために、各対策を関わる人によって分けて考えてみます。自分だけで行うもの、スタッフと行うもの、外部パートナーに対して行うもの、クライアントに向けて行うものの4つです。すると、自分だけで行うものは非常に少ない事が分かります。クライアントに対してもごく限られており、プランニング時に行う見積もりの工夫や、素材の請求などです(中盤や終盤にもし遅れそうな場合は相談する事などもあります)。スタッフと協力して行う対策が最も多くあり、初期の密なミーティングで背景を説明することやスキルに関すること、詳細なスケジュールの共同作成、進捗の管理、各部の認識の共有などです。それらのうちの大部分が外部パートナーにも同様にあてはまります。

これらのことから、つまるところ進行管理にはコミュニケーションがとても重要だと言えます。コミュニケーションのためのツールとして細かなスケジュールと定期的な報告など、あるいは見積もりやプロトタイプなどを使うことが出来る、というふうに考えられます。ですからまずは、各ツールを活用し、あるいは単に頻度を高めて、コミュニケーションを円滑にするよう心がけることが進行管理に役立ちそうです。

それ以外の、社内プロジェクト、見込み50%のスケジュール、全体を先に完成し品質と期間をトレードオフ出来るようにすることなどは、コミュニケーションツールとは違う純粋なテクニックです。これらはこれらで箇条書きにでもしておけば良いでしょう。そして最後に、こころがけの問題があります。おさらいしておきましょう。

  • Web制作はまず間違いなく遅れる
  • 予期しないトラブルは必ず発生する
  • プロジェクトを進行させるのはディレクターだけ

以上、みなさんのまとめの補足として、参考にして下さい。

#5

8月 5, 2007

本日もお疲れ様でした。

時間オーバーしつつも来週に送ったものがあり申し訳ありませんが、予定のカリキュラムはほぼこなしています。最終回は元々かなり余裕があったので、カリキュラムにない、しかしディレクタにとって有益と思える情報を多く盛り込む予定でしたがあまり余裕がないかもしれません。それでも、カリキュラム以外でも重要なことがたくさんあるので、例えばWeb業界の動向などは完全にオプショナルな部分ですが、濃縮してできるだけお伝えしたいと思っています。

進行管理についてはいかがだったでしょうか。予想よりズバズバ意見を出してもらったのでかなり進めやすかったですが、その分やや詳しくなりすぎて時間をたくさん使ってしまいました。授業内でも言いましたが進行管理については復習をしてポイントをまとめ、いざ実際の業務として担当する際に、「えーと何やるんだっけ」とあせらずにすむよう、しっかりと整理しておいてください。

制作プロセスの概要

  • デザイン
  • コーディング
  • 素材手配
  • 素材加工・流し込み
  • チェック・修正
  • 検収・修正

システム開発プロセスの概要

  • 仕様作成
  • 設計
  • 実装
  • テスト・デバッグ
  • チェック・修正
  • 検収・修正

ディレクター以外の職種

  • デザイナー
  • イラストレーター
  • CGデザイナー
  • コーダー
  • オペレーター
  • フラッシャー
  • プログラマー/SE
  • プロデューサー
  • プランナー
  • 営業担当者
  • エディター
  • コピーライター
  • カメラマン

進行管理は

  • ディレクタの業務の中で最重要:成否がディレクタ次第
  • 目標はシンプル:納期と品質を守ること

『進行管理の問題点の解決策を考える。』
進行管理についてディスカッション

  • リソースの不足
    • 期間が足りない
    • 人員が足りない(他の業務で忙しい)
    • スキルが足りない
    • 予算が足りない
    • 適当な外注先が無い
  • スケジュールの不備
    • 工数の正確な予測が出来ない(やってみないと分からない)(工数は勘による推測である)
    • 作業を細かく分けられない
  • 進行の障害
    • 各作業の進捗を把握しにくい
    • 進行を妨げるトラブル(間違いによる手戻りなど)
    • 他の業務に手を取られる
  • スタッフとの軋轢
    • スタッフのモチベーションが上がらない
    • 作業を複数のスタッフに分割出来ない クライアントによる妨害
    • 素材入手の遅れ
    • クライアント確認の遅れ
    • デザイン変更
    • 仕様変更要求
  • 誤差と相違
    • 見積りの甘さ
    • 期間設定とスケジュールの甘さ
    • スタッフの間の認識の相違
  • 各部の不調
    • 個々の作業が遅れる
    • 個々の作業の出来が悪い
    • 外注部分が遅れる
    • 外注部分の出来が悪い
    • テストや見直しが充分でない
  • 満足でない結果
    • 納品が遅れる
    • 納品物の(表面的な)レベルが低い
    • 納品後のバグやトラブルが多い

※まとめは授業終了後に掲載します。進行管理についてはしっかり復習を行ってください。

スケジュールの作成例

キーワード(授業内では詳しく触れませんでしたが参考に)

  • パーキンソンの法則(核となる20%が結果の80%をもたらす)
  • リレーランナーカルチャー(チャレンジできる・遅れても叱らない雰囲気)

漏れを無くすプランニング:リスト作成
※進行管理について考えた後に、またプランニングに戻って考えると(プレゼンのときも似たようなことがありましたが覚えていますか?)、プランニングの段階で行うべきことを思いつきます。fukutはよく以下のようなリスト等を作成します。皆さんも考えてみてください。

  • ToDoリスト
  • 目的リスト
  • アイデアリスト
  • コンテンツリスト

以上4リストを利用してさらに作成

  • コンセプト/手段
  • サイトマップ
  • デザイン案/ワイヤフレーム
  • 素材手配リスト
  • 仕様書/プロトタイプ
  • インフラ計画
  • スケジュール/見積り

模擬面接
営業マンとして就職するならガッツを見せ付けないといけないですし、プログラマならプログラム能力をアピールする必要があります。ではディレクタは? 面接官をも手玉に取るほどの高いコミュニケーション能力が求められます。自分を上手にアピールできる人はプレゼンもうまいでしょう。質問に要領よく簡潔に答えられる人はクライアントへの仕様の説明も、スタッフへの業務の指示もソツなくこなすでしょう。今後実際に面接を受ける機会もきっとあると思いますので、ぜひ授業の中で経験としてやっておきたかったのです。中々機会がないですから。
逆に、面接官になったなら、欲する人間を短時間で見抜けるかどうかはこれまたディレクタの重要な能力です。将来身に付ける予定のスキルの中に是非入れておいてください。

ヒアリング演習後半:京都チャンネル
※ヒアリングシートの準備をお願いします。

システム/インフラの知識(コメントにて「詳しく聞きたいリスト」の提出をお願いします。)

  1. サーバの準備
    • 共用レンタルサーバ(ホスティング)
    • 専用レンタルサーバ(ホスティング)
    • ハウジング
    • コネクティビティサービス
  2. サーバの機能
    • HTTP
    • SSL
    • DNS
    • CGI,SSI(PHP,ASP)
    • DB
    • Mail
  3. サーバについて確認しておくべきこと
    • どのようなサーバを利用するか?
    • 計画中のサイトのためにサーバに必要な機能
    • サーバのOS、ソフト、各バージョン
    • サーバ管理は誰が行うか?
    • ドメイン名の扱い(取得、管理、DNS)
  4. その他の用語
    • HTML、XHTML、CHTML
    • CSS
    • javascript
    • Ajax
    • Flash
    • タイポグラフィー、フォント
    • 動的(ダイナミック)/静的(スタティック)
    • SEO、SEM
    • ブログ、CMS
    • ログ解析
  5. 制作環境、制作ルール
    • Dreamweaver
    • Fireworks
    • Photoshop
    • Illustrator
    • Flash、WindowsMedia、QuickTime
    • Microsoft Office
    • Windows、Macintosh
    • 文字コード、改行コード
    • ファイル名、拡張子

次回の予定

  • システムとインフラの知識
  • ユーザビリティー
  • 仕様書などの文書・アートディレクション
  • 運用業務
  • マーケティング・ディレクタによるプロジェクトの価値創造
  • これまでのおさらい